みなとみらい.TOKYO

雑記中の雑記ブログ

人は誰でも、何かのきっかけで変わることができると確信した話。

コンビニ、ファミレス、居酒屋、カフェ、受付窓口。
店員さんと言うのは、日々何人もの人を接客して、コミュニケーションを取る。

身になるようなコミュニケーションなら楽しいでしょう。
でも、接客と言うのはなかなか難しいもので、何でもそうかもしれないけど、大変なことのほうが多い仕事なんじゃないかと思う。

僕も居酒屋とチェーン店のカフェ、八百屋、アパレル、人力車などで接客の仕事を経験したことがあるので気持ちはわかりますが、本当に大変。
気疲れすることが多い。

そこで今日は、
新宿の某チェーン店カフェの中で、荒れに荒れ、ヤサグレにヤサグレた店員さんが、すごい変化をしたときの話をしたいと思います。

新宿のカフェで出会った、とんでもなく悪態のつく店員さんの話。

仕事の休憩時間に近くのカフェでゆっくりしようと思い、適当にチェーン店のカフェに入りました。

新宿近辺のお昼時はどこも混んでいるので並ばないと入れない。
しかも結構並ぶ。

レジでコーヒーを注文するために並んでいる列に入り、待っているとなんか変な空気を感じる。

前の人が注文が済めば、やっと僕の番だとなったあたりで、あ、やっぱりと思った。

店員さんがかなり不機嫌であることが確認できた。

接客とか忘れているのか、そんなの関係なしにとにかく不機嫌さが顔に出ている。いや、「不機嫌」と顔に書いてある。

対応する言葉の荒さ、雑なお金の渡し方、コーヒーを提供する時の危なっかしさ。お客さんを見下している感じ。
これは今日に限ってのことじゃ無いレベルだということは分かった。

僕の番になりました。
「注文は?」とタメ語。

戦いの幕が上がった。

僕の身体が武者震いを起こした。

ここはもう、RPGゲームに出てくる、ダンジョンの中。
待ち伏せるモンスターに出くわした感覚で挑むしかない。そう思った。(なにいってんの)

戦闘開始。 

鼓動が高鳴った。

 

モンスターは、先手を打って、
「注文は?」とタメ語で威嚇してきている最中だ。

僕のターン。コマンドは何にする。
選択肢はいくつか用意した

  1. ホットコーヒーのMを注文する
  2. ホットコーヒーのLを注文する
  3. 態度の悪さに退店する

僕は、謙虚な姿勢で「ホットコーヒーのLを注文する」を選択し、モンスターのターン。

 

その瞬間、


「ふんっ。」


という鼻息とともに、タタンッ。とレジに注文情報が入力され、そのあとすぐにキャッシュトレイがバンっ!と飛び出す。

 

モンスターは、お金を要求している。

 

要求された金額は、324円(税込)

 

レジ台に寄り掛かった状態でレジに添えた手の指をトントンしながら、お金がトレイに置かれるのを待っている。 

 

さて、僕のターン。
用意したコマンド選択はこれ。

  1. ため息交じりの態度に金を投げる
  2. わざと1万円札で支払ってお釣りを返す手間を与える
  3. 丁寧にキャッシュトレイにお金を置く
  4. 退店する

 僕は、またもや謙虚に丁寧な姿勢でお金をキャッシュトレイに置いた。

 

渡した金額は、1024円。

 

そんな細かい金額まで用意した丁寧な想いは当然のように届かず、
700円のお釣りが投げるように渡され、バンッとコーヒーを出してきた。
その勢いで、コーヒーがソーサーにこぼれた。


人への対応の荒さは一流のモンスターだ。

そして僕のターン。用意したコマンドは

  1. いい加減クレームを言う
  2. 黙ってコーヒーを取って席に着く



・・・僕は、黙ってコーヒーをもって席に着くコマンドを選択。


モンスターに何も攻撃することができず、逃げることも出来ず
臆病なまま席に着き、敗北感満載の気分の悪いコーヒーを飲んで帰った。

僕ができたこととすれば、飲み終えたコーヒーカップを片づけないで帰ることくらいだった。


ちっぽけだった。

僕の謙虚さなんてのは、自分を守るためだけのものだった。

それから何度かその店に行くが、モンスター店員の調子は狂うことなくモンスターを維持していた。

というのが、1年くらい前の話。

 

それからミラクルが起こった。

お店が変わった。

店自体が変わったわけではない。
同じカフェなのに今までとは全然空気が違っていた。

あんな店、二度と行くかと思っていたはずなのに
なぜかふと、またそのカフェに入ってしまった。

久しぶりに入店。

空いていて入れるお店が近場でそこしかなかったっていうのもある。

ただ、これが僕にとっても転機で行くべきタイミングだったのかもしれない。

店に入った瞬間想いもよらぬ声が耳に入ってきた。

 

「こんにちわ~~~♪」

 
おかしい。良いお店に来たような感覚だ。

、、いや、そんなわけない。

気のせいだ。

 



「こんにちわいらっしゃいませ~~~~♪」



いやいやいや、そんなわけ無いぞ。

 


「こんにちはいらっしゃいませ~~~~♪」 

 

たしかに聞こえてくる。

レジのほうを見るとものすごく楽しそうに。以前まではモンスターだった店員さんが笑顔を振りまいて接客をしている姿があった。

二度見する気持ちだった。

いやいや笑顔を振りまいている様子もなく、水を得た魚のように、楽しそうに仕事をしていて、さらにお客さんと他愛もない話をしたりしているじゃないですか。

目を疑いました。

何が起きたのか未だに分からないけど、それから何度足を運んでもその良質な空間は消えることなく維持されている。

今となっては、その店に行くと必ず一言は会話をするようになった。

僕がマスクを着けていれば「風邪ですか?」
僕が腕をまくって入ってくれば「今日暑いですよね~」
土日に来ると「今日も仕事ですか?」

と色々と気にかけてくれる。しかも、そんな対応を来るほとんどのお客さんにしている。

ついこないだ、たまたま財布の中にお金が入って無いことに気付かないまま店に行ってしまった時があって、案の定持っている分だけでは支払いが出なかった。

「お金をおろすために一旦出直します」と伝えると「ちょっと待って!」とレジを操作して、さっきより安い金額がレジに表示され「はい!これなら払えるかなっ(小声)」という値引きの神対応までしてくれました。

本当に信じられない気持です。(持ち合わせなくてすいませんでした)

とにかく、1年前の店の雰囲気とはまったく異なり、みている限りではお店に入ってくる他のお客さんも明るくなったと思う。

今までのあのモンスターだった店員さんはどこへ行ったんだろうと未だに不思議な気持ちです。

どんなことがきっかけでその店員さんが変わることができたのかはまだ分からないけど、きっと空気の悪い店を変えるために、まずは自分から変わらないといけないことを決心したんじゃないかなぁと思います。

僕はその店員さんから「誰でも人は変われる」と確信できるきっかけを頂きました。

今度、まけてくれたお代のお礼をしに行ってきます。
ありがとうございます。


お題「コーヒー」