ライブで打ち込み音源を生演奏と同期させて演奏出来る簡単な方法3選。
音源同期演奏
僕が活動しているロックデュオ、camome.で、
最近、打ち込んだ音源を同期させてライブで演奏する機会が増えるようになりました。
二人組のバンドの場合、ギターとドラムだったり、ピアノとドラムだったり、楽器が2つしか同時に鳴らせないので、曲によってはもの足りなかったり表現出来るアレンジに限界を感じる時があります。
そういう時、メンバー増やしたりサポートメンバーをつけて演奏してもらうのも手段ですが、個人的には、変にメンバーを入れたくない。
2人だけで演奏しているステージの雰囲気は壊したくない想いを優先し、今まで躊躇していた同期演奏に挑戦することを決めました。
同期演奏とは
バンドやっていたり、バンドのライブを見に行っている人は分かると思うけど、バンドメンバーが出していない音が聴こえる時がありますね。
どこからともなく流れている音は、音源を同期させる機材で予め打ち込んだり録音しておいたものをスピーカーで流しているんです。
音源と同期をしながら演奏しなくてはいけないので、音源を聴くだけで同期はほぼ無理。(音源の種類にもよる)
バンドメンバーは、音源とその音源にあったテンポのクリックを聴きながら同期させて演奏しています。(ドラムだけが聴いている場合が多い)
同期演奏の方法
そこで、音源を生演奏と同期させて演奏する方法として3つの方法がありますので、これから同期演奏を考えている人は参考にしてみてください。
MTRで同期する
MTR(マルチ・トラック・レコーダー)ですね。もともと複数のトラックで複数の音を同時にだったり別々に録音するために作られた機材。
これを使用する方法は多分従来からの一番オーソドックスな方法。
ZOOMから、音源を同期させて演奏するものに特化したMTRがあります。
僕も、camome.ではこれを使っています。
ZOOM ズーム マルチトラックレコーダー 2トラック同時録音 8トラック同時再生 R8
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演奏者が同期しながら演奏するためのクリックが入っているトラックと、クリック音が聴こえずに、お客さんが聴く音源が入っているトラックを ZOOM R8では簡単に分けて別チャンネルで出力できるようになってます。
さらに、クリックとオケのバランスが1つのつまみで簡単に調節できる用になっています。
演奏中の操作も簡単に操作できるのでとても便利。
パソコンで同期する
最近は、パソコンのスペックも上がってきてトラブルも少なくなったのか、MTRよりもこの方法が主流になっきたんじゃないかなぁと思います。
パソコンのDAWソフトを使ってオーディオインターフェース経由で音源を流す方法。オーディオインターフェースに、複数のライン出力チャンネルがあるタイプなら、クリックが入っているトラックと音源が入っているPAに送る用のトラックをオーディオインターフェースの設定でチャンネルごとに分けて出力することができるので、ZOOM R8のようなMTRと同様に簡単にクリックと音源のバランスを調節することが可能。
オーディオインターフェースは、こういうライン出力チャンネルが複数備わっているものを用意する必要があります。
Steinberg 6 x 4 USB 2.0 オーディオインターフェース UR44
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iPodなどのポータブルMP3プレーヤーで同期する
同期させる音源がモノラルで十分なのであれば、ポータブルMP3プレーヤーで十分出来ます。iPhoneなどスマホのプレーヤーでも同様。柔軟性には欠けるけど、とても簡易的で持ち運びに関しても楽。
接続例はこんな感じ。
まずは、MP3プレーヤーのイヤフォン端子にスプリッターケーブルをつけます。
そして、スプリッターケーブルのR側の端子(赤)にPAの方へ接続するためのケーブル。
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通常のギターとかで使われているようなシールドケーブルにアダプタで、ミニプラグに変換するのも1つの方法ですが、変換して金具と金具が接点が増えることによって信号減衰の問題につながり、伝導率が落ちる可能性があるので、なるべく一本でつながったケーブルをお勧めします。
そして、この方法で同期させる場合、DAWソフトでクリックが流れる方と音源が流れる方をステレオのパンで振り分け、LとRで完全に別れた状態の音源を作る必要があります。
イヤフォンモニターは重要
紹介した3つの方法には、イヤフォンモニターは必須。
打ち込み音源を同期させるために重要なのは、演奏中クリックがきちんと聴こえやすい環境を作ること。
ライブ中は結構動くので、音楽用の特化したイヤフォンモニターを使うことをおすすめします。
iPhone等についているようなイヤフォンでは、絶対にライブ中外れますんで。
うちのメンバーは、これを使っています。
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DAWソフトは必須
これが無いと何も始まらない。音源を作るのも、パンを振るのも、パソコンで音楽遣るのも全部。今の時代で使えないと結構苦労するかもしれない。cubaseやProtoolsなど色々な種類のDAWはありますけど、僕はLogicが気に入っています。
使いやすいし、元から入っている音源の質もなかなか良い。
同期演奏のメリットやデメリット
メンバーだけでは演奏しきれない音をライブでも表現できるようになる
音源を制作するときに、普段はライブで弾かない音が入っていたりするけど、
そういったものをライブでも出したいときに必要になる。
最近は、DAWでの作業から曲をアレンジして作ることも増えました。
スタジオでアレンジしてた時代よりも頭でイメージした音を表現する技術が増えたので、ギターや鍵盤だけで作る音だけでは物足りなくなる。
その問題も同期を使えば、ある程度は再現できるようになるわけですから、これからさらに増えるんじゃないかなぁと思います。
クリックを聞かなくてはいけないので、急なトラブルに弱くなる
同期関連の機材トラブルは、ライブでの致命的なダメージになり兼ねない。
機材トラブルによって、同期音源が止まってしまったりした場合のためのトラブルシューティングは日ごろ考えておいたほうがいい。
パソコンの場合は、もしDAWソフトがフリーズなんてしてしまったら即アウトなので、演奏する際に無駄なアプリケーションや常駐ソフトは終了すること。最近はスペックも上がってきたのでそういうトラブルは聴かなくなりましたが、僕はそれが不安でまだMTRを使ってます。
iPhoneなどスマートフォンの音楽プレーヤーで使用する際の注意
もし同期音源を流す手段にスマートフォンを使う場合は、モバイルデータ通信やWi-fiを切ること。
ライブ中に誰かから連絡が来たり、通知が入ってしまった場合は、着信音や通知音が会場のスピーカーから流れて大変恥ずかしいことになりますからね!
同期演奏って最近はもう普通になってきたけど、
「そんなの邪道だ」「グルーブが無くなってしまう」「バンドっぽくない」と言うような否定派の人もまだまだいます。
僕もそうでした。
たしかに、やり始めは少し練習が必要。普段クリックを聴きながら演奏なんてしないので、慣れる必要はあります。
でも、
同期することで音の表現が広がるし、ちゃんと演奏できていれば違和感もなくなり、曲のクオリティー、さらに演奏のクオリティーも上がります。
否定派のプレーヤーは、同期演奏では自分の思った通りにうまく演奏できなかったり、閉鎖的になってしまっているだけ。
否定派のリスナーは、そんな同期演奏しか見てこなかったから。良いイメージが無いだけかもしれない。
どんなスタイルでも良いものは良いんですよ。
同期音源のセンスや、工夫次第では良くなります。
少しでも音源同期で迷っている人がいたら是非試してみてください。